Story 02料理長!私納得できません!

「おいしい料理を熱々のまま出さなきゃ、話にならないだろ!」。時計は夜の22時。料理長に怒鳴られた本澤の目には、うっすらと涙が溜まっていた。新人マーケティング長の本澤が、力を入れていたブライダルフェア。スムーズに接客し、お客様を待たせずにお食事に入っていただくためには、サロンで食事をしていただくのがベストと計画を立てていた。しかし、サロンから厨房へは距離がある。料理のクオリティにこだわる料理長からは、NOが出た。「このまま料理長の言う通りに計画を直した方がいいのか? でも、お客様にはせっかくのフェアを移動や待ち時間のストレスなく過ごしていただきたい。そう考え抜いてサロンがベストと思ったのだから…」
そこから、本澤の試行錯誤がはじまった。他店で行っているフェアの事例も参考に、どうしたら実現できるのか、オペレーションやスケジュールを練りに練った。「お客様のために、どうしてもこのプランでやりたい!」その気持ちを伝え、ときには夜中まで討論した。「これがお客様へのベスト」と、自分が納得できるまでは、決してあきらめたくなかったのだ。
結果的に、本澤の案に料理長も納得し、ブライダルフェアは大成功に終わった。各部署の仲間は、プロとしてのこだわりがある。そのこだわりを最大限に引き出しながら、お客様にベストなご提案はなんなのかを考え、気持ちを合せながら導いていくのが、マーケ長の役目。本澤は、体当たりでその難しさを学びながら、今、次の一歩を踏み出したのかもしれない。