正しいお金の教養が、不安やリスクを小さく・大きな安心を生む
欧米では授業で「投資」のカリキュラムが組まれていたり、経済や金融教育が行われていたりするのに、日本の学校ではお金のことを学ぶ機会はありません。みなさんは、働いて得たお金の正しい使い方はできていますか?
日本では、お金の話を公ですることをあまり良しとしない風潮があります。そのため、ファイナンシャルプランナーなど“お金のプロ”に「お金を払ってお金の相談をする」ということにも抵抗のある方もいらっしゃるはず。でも、お金のプロから学べることは私たちが想像しているよりも、ずっと多いのです。
今回、将来のお金について今学んでおきたいことを、アニヴェルセルで人気のアニマネセミナーを開催している「FPwoman(エフピーウーマン)」の水谷明日香さんと山本麗子さんが教えてくださいました。 実はおふたりとも、ファイナンシャルプランナーになる前は、将来のお金や女性の生き方について悩んだ時期も…。おふたりから聞いた、お金を貯める・増やすために必要な“お金の基礎力”を高める方法のヒントを少しだけご紹介していきます。
結婚・出産後に女性が持つ「働きたい!でも…」の悩み
FPwomanを訪れるセミナー受講者のほとんどが女性。男性と比べると、女性は結婚や出産などで働き方が変わることもあるため、必然的にお金の使い方を見直すタイミングになると言います。 ただ、「将来のためにお金は貯えておきたいから、結婚や出産前と変わらず働きたい。“でも”同じように働くのが難しい…」という声も少なくありません。そんな場合、社会で働くという以外に、将来のためのお金を貯める・増やす方法はないのでしょうか。
「自己投資」で大きな安心を
結婚後のご夫婦の家計で考えるべきは、収支のバランス。現金収支は、「収入」「固定費」「変動費」「貯金」などに分けられます。結婚後、パートナーの収入だけで固定費や変動費、貯金をやり繰りすることも可能ですが、ここに「自己投資」が加わることで、収入先が2つに増えることになります。もしパートナーのどちらかしか働けない状況であれば、将来への不安がぐっと減ることになりますよね。 ただし、お金の教養がないまま、株や不動産投資でお金を“増やすこと”だけ考えてしまうのは失敗の原因に。とはいえ、自己流で勉強するのもちょっと面倒…。
そんな時、ファイナンシャルプランナーなど“お金のプロ”に相談することで、無理なくお金を貯められる家計管理法から将来のお金を大きく増やす資産管理法まで、その家族に合ったマネープランしてもらうことができます。 「正しいお金の教養を身に着けて、上手にお金を生み出すことができるようになることで、ご自身の老後や子どもの将来のために必要なお金の不安を小さくでき、大きな安心が手に入ります」(山本さん)。
マイホームだけじゃない?「保険」も人生の大きな買い物
結婚後、あるいは人生の大きな買い物のひとつとして、“マイホーム”が思い浮かびますよね。そんな、将来の大きな買い物のために「節約」を行っている方もいらっしゃるかと思います。 山本さんいわく、実は「保険」も人生における大きな買い物だと言います。そう認識している方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。
将来のための保険として「毎月数万円」という金額を支払っている人も多いと思いますが、もしかしたらその保険を見直すことで、大きな節約になることも。積立保険は一度始めたらなかなか止められないため、とりあえず保険に入るのではなく、「何のための保険か」の目的を明確にしておくのも大事。
ファイナンシャルプランナーは、その家族に合った保険のプランにも相談に乗ってくれます。マネーに関するテキストを開いて一から勉強せずとも、あらゆる選択肢から比較検討して、自分に最適な保険プランを見つけてくれます。
失敗しない節約法を知る!
思うようにお金が貯まらない、貯められない」という人が陥りやすい、間違った節約法があるそう。たとえば、食費や光熱費、洋服代や美容代…など、金額の小さいものから我慢が必要なものなど。では、失敗しない節約法とは?
「節約は毎日の積み重ね」とよく言われますが、実際、これらの節約できる金額は微々たるもの…というのが悲しい現実。「人間の心理として、目先の小さな利益を取りやすいのですが、収支全体を見て、保険など他に大きく見直せるところがあることを知ることも大切です」(水谷さん)
収入があるのに「年間100万円切り崩し」の落とし穴とは?
FPwomanが提案するマンツーマンのマネートレーニング(90日間)を経験した方のなかには、ご自身の年間収支を調べ直してみたら年間の収支が合わず、なんと「貯めているつもりが、年間100万円を切り崩していた」という事実が発覚した方も! 比較的収入が多い、または共働きのご夫婦によく見られるパターンで、毎月の生活にそれほど困っていないので気付きにくいのですが、無計画な買い物を貯金から使うことで、「大きなマイナスにはならないけど、お金がなかなか貯まらない」という、落とし穴が待っています。
貯まらない悩みは「家計の見える化」で解決
こんな落とし穴にはまってしまう前に、まずやることは「家計の見える化」です。毎月、何にいくら使っているのか家計簿にまとめ、家計の状況を目に見える形にします。
マンツーマンマネートレーニングを受ける場合、90日間で、長く楽に続けられる家計改善方法をマネートレーナーと一緒に探していくことになります。家計簿をつける習慣がないとなかなか難しいのですが、すぐに相談できるマネートレーナーがいれば挫折しないですみそうですよね。
ICカードなど手軽な“キャッシュレス化”に注意
また、最近は、ICカードで簡単に商品が購入できるなど、キャッシュレス化が進んでいますが、家計管理ができない人にとっては注意が必要です。何にいくら使ったのか使途不明金が発生してしまうからです。それが結果的に、いつの間にか月に数千円から数万円も使っていた…なんてことになりかねません。まずは、お金の基礎力をつける、そこから始めてみませんか?
「ただ貯めるだけ」を卒業!“お金の基礎力”を高める
「明日からダイエットしよう」と思っても、今の自分が、何が原因で太ってしまったのか、自分の体質を知らないと最適なダイエット法で効率よく痩せません。 お金の貯め方や増やし方も同じで、お金の正しい知識を身につけて“自分軸”で判断できるようになることが大切です。「お金の基礎力」を高めて、お金の体質改善トレーニングができれば、お金を貯める・増やすために、今の自分に何が必要か…というのが見えてきます。
「お金の基礎力」が高まることで変わる4つのこと
◇将来や老後のお金に対する不安の原因が明確になる
◇目先の小さな利益にとらわれない、正しい節約法が分かる
◇お金の「使い方」と「増やし方」のバランスが見えてくる
◇変わらないと思っていた固定資産など、毎月の収支を見直せる
お金をただ貯めているだけではなく、「お金の基礎力」を高め、「お金の教養」を身につけて“お金を増やす”ことで、日々の生活や心が安定するだけでなく、「将来の夢の実現」にも繋がります。夢を持って生きることで、よりポジティブな老後を迎えられるはず!
夫婦間の価値観のズレ…お金のプロが介在してスムーズに
水谷さんや山本さんのもとに訪れる方のなかには、結婚して間もない女性からの相談も少なくないそう。これから何十年と続く結婚生活。同じゴールを目指しながらともに歩むためにも、結婚後すぐに、おふたりでお金の使い方を話し合うのはおすすめです。 とはいえ、「趣味や外食でお金を使いすぎる」「お金の運用の仕方で意見がかみ合わない」など、夫婦間でお金の価値観が異なる場合も。お互い働いているからお財布は別…というご夫婦も、お子様が産まれたら変わってくることもあるはず。そんな時こそお金のプロが“第三者”となり、おふたりの将来のお金に介在することでスムーズにいく可能性も高いとか。
ご両親が元気なうちに家計の相談を
また、今後相談が増えることが予測されるのが、「ご両親の老後資金」のこと。ご両親もご自身も健康で働ける状態であれば問題はありませんが、ご両親に介護が必要になったり、何からの理由でご両親に毎月生活費を送らなければいけなかったりした場合、5年10年先のことを考えるとかなりの負担に…。
「できるだけご両親の意見を尊重したいからと、親子でセミナーに参加するという方もいらっしゃいます」(山本さん)というように、元気なうちにご両親の家計をコンサルしてもらうことで、老後破産の心配もぐっと減るそうです。
今回お話を伺った方
FP woman(エフピーウーマン) 取締役
ファイナンシャルプランナー 水谷明日香さん
前職の印刷会社営業から、30歳を機に、未経験ながらファイナンシャルプランナーの募集情報を見て、現会社に応募。以前より興味のある分野で、「やりたいことを諦めずに人生の選択肢を増やしたい」「同じ悩みを持つ女性を支援したい」という信念の元、現在、30代と40代を中心とした女性のお金の悩みに、親身にかつ的確にアドバイス。
ファイナンシャルプランナー 山本麗子さん
京都の料亭で5年間働いている間、地元の名士のお金の使い方を間近にしていくうち、「仕事や生き方に教養のある人はお金にも教養がある」ということを知る。その後、「教養としてのお金」を学ぶため、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。事務所勤務からキャリアをスタートさせ、現在で7年目。個別のマネー相談以外に講演なども行う
「FPwoman(エフピーウーマン)」 個人がより豊かに生活するために必要な「お金の教養」を学べる2002年創立の総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」のひとつ。ファイナンシャルアカデミーでは、東京・大阪・ニューヨーク・通信制・WEB自宅受講を通じて、17年間で延べ50万人の方が受講。貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から、資産運用、キャリア、人生と社会を豊かにするお金の使い方まで学んでいます。豊かな将来と自立心を創りあげるための独自カリキュラムを創り、金融商品の販売・紹介は一切行わない、中立的な学校運営を行っています。
- この記事を書いた人
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ライター 佐藤
女性誌WEBサイトのエディター&ライターを経て、フリーに。現在は、美容やライフスタイルを中心に女性向けの記事やエンタメ系グラビア誌のインタビューも担当。