仕事においてのこだわりはなんですか？

おふたりの心のなかで、しっかりと「誓い」ができるように導くことにこだわっています。式で誓いあった想いは、これからの人生において、きっとおふたりの原動力になります。だからこそ、いつでもその想いに立ち返ることができるような「誓い」をしなくてはいけません。その「誓い」をアシストするのが、牧師の役目です。

結婚式の「誓い」は、一生でいちばん大きな決心。そのため、心の準備も大切です。だから、「誓い」の直前に、牧師が「誓い」の重要性や尊さを説き、おふたりの心を整えます。そうすることで、「はい、誓います」とただ言葉にするだけではなく、心の底から永遠に愛しあうことを決意する覚悟ができるのです。

そのうえで永遠の愛を誓えば、おふたりのなかでその「誓い」がより重要な意味を持つことになります。そうすることで、そのあとに式で起こる一つひとつの出来事に意味を感じることができ、結婚式を挙げた日がおふたりにとって「特別な一日」になるのです。

また「特別な一日」であるがゆえに、結婚式はハイプレッシャーな場でもあります。極限の状態だからこそ、おふたりが想っていることや、本当の意味で誓いあえているのかが私にはよく見えます。だから、私が式で感じた、これから先も大切にしてほしい想いをメッセージにして、式が終わったあとに新郎新婦様にお伝えしています。

私はおふたりの想いを感じられなくなったら、結婚式での牧師を引退すると思います。それほど、おふたりがしっかりと誓いあえる準備や環境を作ることにこだわっています。

アニヴェルセルの好きなところを教えてください。

伝統的に受け継がれてきた「結婚式の本質」を大切にしているところです。結婚式の本質とは、永遠に愛しあうことを誓い、家族を築く決意をすること。これは大昔から変わっていません。

結婚式での決意は、おふたりがずっとともに歩んでいくことへの信念につながっていきます。だからこそ、まずはおふたりに「結婚式の本質」を知っていただくことが大事なんです。

アニヴェルセルでは式の約2週間前に、牧師が新郎新婦様にグループカウンセリングをして、「結婚式とはなにか」をあらためて考えていただく機会を設けています。これは、1998年にアニヴェルセルがオープンしたときから、20年間続けていることです。

さらに、古くから重んじられてきた「結婚式の本質」をより引き立てるために、各式場のチャペルも伝統的なスタイルを反映しています。なかでも、それが際立っているのは「アニヴェルセル 表参道」のチャペル。140年くらい前の調度品をイギリスの教会から譲ってもらい、結婚式の歴史を大切にしているチャペルです。

また、ここでは古来からの代表的な賛美歌である『いつくしみ深き』が何万回も歌われています。そうした結婚式の伝統にもとづく調度品や賛美歌は、これまで多くの新郎新婦様の輝く未来を祝福してきました。そのエネルギーを吸収した式場が、アニヴェルセルには揃っています。ここにはおふたりの未来を明るく照らすような「生きるエネルギー」があるんです。

この伝統的なチャペルと「結婚式の本質」に向き合う姿勢こそ、アニヴェルセルの財産だと思います。

あなたにとって、結婚式とはなんですか？

結婚式は、おふたりの「家族作り」がうまくいくために行う儀式です。人間が家族を作るためには、ふたりが愛しあうことが必要。だから、愛しあったおふたりが結婚式を挙げて、「家族になる」のは本当に素晴らしいことなんです。

「家族を作る」のが大事であるということは、じつは聖書にも書かれています。それほど、尊いことなのです。さらに、聖書を紐解くとわかることがあります。それは、神様は家族を作るために、宇宙を創り、人間を創ったということ。

要するに「結婚」という概念は、家族を作るためにあります。だから「結婚式」には、家族を築くうえで必要になるポイントが、しきたりとしてたくさん散りばめられているのです。

たとえばこれから先、なにがあってもふたりで乗り越えるための「愛の誓い」だけではなく、新婦様がお父様と歩かれるバージンロードや、これまでお世話になった方々に祝福されるフラワーシャワーなど。こうしたしきたりを通して、周囲の方々に感謝を感じる瞬間が何度も訪れます。

結婚式は、そこで起こる一つひとつのことに意味がある、本当にワンダフルな儀式なんですよ。その重要性に気づくことができれば、結婚式後の夫婦生活にもきっといい影響を与えつづけます。

おふたりが、家族を作っていくための第一歩となる結婚式。その奇跡的な瞬間を間近で見られるだけでも、牧師というのは、本当に恵まれた仕事だと思います。これからも、ひとつでも多くの「未来の家族」が、いいスタートを切れるようにアシストしていきたいですね。