結婚式の受付を頼まれたら?当日の流れや事前準備、服装・マナーを確認

結婚式の受付を頼まれたら?当日の流れや事前準備、服装・マナーを確認

結婚式の受付には、当日式場にやってくるゲストを出迎えるという大切な役割があります。
友人や知人から結婚式の受付を頼まれたとき、「受付ってお出迎え以外にはどんなことをするの?」「当日の服装はどうすればいいの?」と心配になる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、結婚式の受付に任される役割や必要な準備、受付係にふさわしい服装、当日の流れなど、結婚式の受付を頼まれたときにチェックしておきたいことをご紹介します。

目次

結婚式の受付係の役目

結婚式の受付の役目は、ご新郎ご新婦やご両家に代わってゲストを出迎えることです。ご新郎側とご新婦側のゲストからそれぞれ1~2名が選ばれるのが一般的で、出席者が多い式では3名でこなすこともあります。

受付係はゲストの一員ですが、受付中の立場はご新郎ご新婦側、つまりホストです。ご両家の代理という意識を持ち、おもてなしの気持ちと礼儀を忘れないようにしましょう。

さらに受付係にはゲストが持参するご祝儀を預かる役目もあります。現金を扱うことにプレッシャーを感じる方もいるかもしれませんが、ご新郎ご新婦から信頼されている証ともいえます。大切な人のハレの日がすばらしい1日になるよう、心を込めてお手伝いしましょう。

受付係の服装やマナー

式場を訪れたゲストは、最初に受付係と顔を合わせることになります。ご新郎ご新婦どちらのゲストに対しても、爽やかな第一印象を持ってもらえるように心掛けましょう。

筆記具を差し出したりご祝儀袋を受け取ったりする受付係は、指先を見られることが多いため、指先を清潔にすることも大切です。そのほか、男性と女性それぞれの服装マナーをご紹介します。

男性の服装マナー

受付係の服装マナーは、基本的にゲストと同じです。男性は準礼装であるディレクターズスーツかブラックスーツを着用し、ネクタイは慶事用の白やシルバーを締めましょう。そのうえで衣服のシワや髪型、髭などにも気を遣い、清潔感のある装いを心掛けることが大切です。爪はあらかじめ切りそろえ、当日は爪の内側が汚れていないかをチェックしておきます。華やかさを加えたいときは、カフスボタンやポケットチーフなどの小物を取り入れましょう。

女性の服装マナー

女性の場合は肌の露出が少なめの上品なドレスがおすすめです。お辞儀をすることも多いため、胸元が広くあいているデザインは避けましょう。ドレスの上に羽織るものも、ずれ落ちやすいストールやショールより、袖を通して着るボレロやジャケットのほうが快適です。また、ネックレスも長いものより首回りに沿うタイプが適しています。

そのほかの服装マナーはゲストと同様で、花嫁の色である白や全身黒のコーディネートは避けるようにします。もちろん和装でも問題ありません。

ネイルは、清潔感のある上品なデザインがおすすめです。長い付け爪は、筆記具やご祝儀袋の受け渡しをする際、お相手に当たってしまうと危ないため避けましょう。

受付の前日までに確認しておくこと

結婚式当日、ご新郎ご新婦はバタバタしているため、確認したいことがあっても時間がとれない可能性があります。受付の役割をスムーズにこなすためにも、事前に確認できることは済ませておきましょう。

受付係の集合時間・場所

お出迎えを担当する受付係は、ほかのゲストよりも早めに式場に入る必要があります。一般的にはご新郎ご新婦から「受付係は◯時◯分に来てほしい」という連絡があるので、それに従いましょう。

また、集合場所も確認しておくとスムーズです。特に人の出入りが多く、いくつもバンケットがあるようなホテルなどでは館内で迷ってしまうこともあります。「◯階の◯◯の間の入り口」など、具体的に聞いておくと、当日慌てずに済みます。

会場までのアクセス

受付の集合時間に遅刻しないよう、会場までのアクセス方法を確認しておくことも大切です。公共交通機関を使う場合は、乗り換え駅や乗り換えに必要な時間などもチェックしておきましょう。天気などによって遅れることもあるので、代わりの交通手段を確認しておくと安心です。

車で行く場合は、当日に通行止めや高速道路の工事などが予定されていると移動に時間がかかってしまうため、最新の道路情報を調べておきます。さらに駐車場の場所や、停められる車のサイズなども気にしておきましょう。

結婚式当日の事前準備

結婚式当日、受付がスタートするまでに何をしたらよいか確認しておきましょう。準備にかかる時間を見積もって早めに到着しておくことで落ち着いて用意ができます。

会場には早めに到着! 身支度を済ませておく

まず大切なのは、指定の集合時間までに集合場所に到着することです。受付係が遅刻をしてしまうと、打ち合わせが十分にできなかったり、ほかの人に負担を掛けてしまったりすることがあります。式場へ行く前にヘアサロンへ立ち寄る場合は、時間に余裕を持って予約を取るようにします。

受付が始まるとその場を離れられなくなるので、お手洗いやメイク直しなども済ませておきましょう。男性も一度鏡を見て、ネクタイやシャツの襟が曲がっていないかをチェックしておくことをおすすめします。

会場施設を確認

受付係はゲストから「お手洗いはどこ?」のように、式場の設備について尋ねられることがあります。お手洗いをはじめ、荷物を預けるためのクロークや授乳室、喫煙室、休憩スペースなど、場所を聞かれそうな設備がどこにあるかをあらかじめ確認しておきましょう。

余裕があれば、開式前に記念撮影を楽しみたいゲストのために、フォトブースや写真映えするスポットなどを案内できるようにしておくとスマートです。

式場担当者と打ち合わせ

受付係には式場担当者と打ち合わせをする時間が設けられていることが一般的です。受付開始後の流れや必要事項を把握しておきましょう。

受付が始まってしまうと対応に追われ、式場担当者に声を掛けるのが難しいことがあるため、不安や疑問はなるべくこのときに解決しておきます。特に天候がよくないときは、受付付近が混み合ったり、ゲストが傘の置き場に迷ったりすることがあるため、対応やゲストの動線について聞いておくようにしましょう。

確認事項のチェックリスト

式場担当者との打ち合わせで確認しておきたいことの一例を紹介します。

・ご祝儀の保管方法
・集まったご祝儀を渡す相手
・お車代を渡すゲスト
・ゲストへ配布するものの種類や数(席次表など)
・個別の対応が必要なゲスト(車いすでスロープやエレベーターへの案内が必要なゲスト、ご両家から到着したら知らせてほしいと頼まれているゲストなど)
・遅刻したゲストへの対応

受付担当者同士で挨拶、役割分担

結婚式の受付は、ご新郎側から2名、ご新婦側から2名の計4名で行うことが一般的です。受付担当者が揃ったらお互いに挨拶し、顔や名前を覚えたうえで役割分担を決めましょう。具体的には「ご祝儀を受け取り管理する人」と「席次表などを渡し案内する人」に分かれるとスムーズです。

また、式によっては、「ゲストカードを回収する」「駐車券を渡す」といったお仕事を任される場合もあります。臨機応変に対応できるよう、受付担当者同士でコミュニケーションを取っておきましょう。

このほか、会費制の結婚式では受付担当者がその場で受け取った金額をチェックする必要があります。場合によってはお釣りを渡すこともあるため、現金の保管や受け渡しのシミュレーションをしておくとよいでしょう。

受付で使うものに不備がないか確認

受付開始前に、受付時に使用する備品が揃っているか、問題なく使えるかをチェックします。このとき必ずしておきたいのは、筆記用具の試し書きです。筆ペンやサインペンの場合、キャップがゆるんでいるとインクがかすれたり書けなかったりすることがあります。かすれた黒(グレー)の文字は不祝儀を連想する人もいるため、しっかり書けることを確認しましょう。

備品のチェックリスト

結婚式の受付に必要な備品の一例はこちらです。

・ゲストのリスト(チェックリスト)
・芳名帳
・筆記用具(芳名帳に記入してもらうものと受付担当者が使用するもの)
・ご祝儀を置くトレー
・席次表
・お車代

このほかに、演出のためのクラッカーやドレスの色あてクイズのアイテムなどをゲストに渡す場合もあります。

結婚式当日の受付の流れと言葉

受付が始まったら、ゲストを笑顔でお出迎えしましょう。電車や送迎バスが到着したタイミングには混み合うこともありますが、慌てず一人ひとり丁寧に対応しましょう。親しい友人が来ても、受付が終わるまでは話し込んだり席を外したりせず、受付に専念することが大切です。

結婚式当日の受付の流れと、ゲストに掛ける言葉の一例を紹介します。

挨拶・ゲストへ列席のお礼を伝える

ゲストが受付に立ったら一礼し、「本日はお越しいただき、ありがとうございます」とお礼を伝えます。受付係はあくまでもご両家の代理ですので、ゲストからの「おめでとうございます」というお祝いの言葉には、「ありがとうございます」と返しましょう。ただしゲストがご新郎ご新婦の親族の場合は、「本日はおめでとうございます」のように、お祝いのひと言を添えるようにします。

また、雨や雪の日などは「お足元が悪い中お越しいただきまして、ありがとうございます」のように、気遣いをプラスするとより丁寧でしょう。

ご祝儀を受け取る

ゲストがご祝儀袋を差し出したら、「ありがとうございます。お預かりいたします」と言って両手で受け取ります。ただし、事前にご新郎ご新婦へ直接渡していることもあるため、ゲストがご祝儀袋を出さなかったとしても、催促する必要はありません。

受け取ったご祝儀袋はゲストの名前が記載されているかを確認し、受付の机の上にあるトレーに重ねて置きましょう。すぐに袋や箱にしまわないのには、おめでたい雰囲気を出すという意味があります。

芳名帳への記帳をお願いする

ご祝儀の受け取りが終わったら、手のひらを上に向けた状態で芳名帳を指し示し「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をお願いいたします」と伝え、記帳を依頼します。記帳してもらう内容は氏名だけのこともあれば、住所・氏名の場合もあるため、芳名帳の形式に合わせて案内することが大切です。

また、芳名帳を用意せず、招待状に同封したゲストカードを回収するスタイルの式もあります。万が一ゲストがゲストカードを忘れてしまったときは、予備のカードを渡してその場で記入してもらいましょう。

お車代を渡す

芳名帳の記名やゲストカードの受け取りが済み、ゲストの名前が分かったら、お車代を渡す予定の方に、「新郎新婦からこちらをお預かりしています」と伝え、お車代の入った封筒をさりげなく渡しましょう。

もし、ゲストがお車代を辞退し、受け取らずに立ち去ってしまった場合は、受付が一段落したタイミングでご新郎ご新婦やおふたりの親御様にその旨を伝えます。そのうえで改めて親御様などから渡してもらいましょう。

席次表など配布物をお渡しする

ゲストに席次表を渡すときは、両手で持ったうえで相手から読める方向で差し出し、「こちら本日の席次表でございます」と言い添えます。席次表のほかに配布物がある際は、そちらも忘れずに渡しましょう。披露宴でドレス色当てクイズなどの投票などを行う場合は、合わせてその案内もします。

受付後の案内をする

受付を済ませたゲストが受付の周りに居続けると、受付前が混雑してしまいます。「扉を出ると控室がございますので、そちらでしばらくお待ちください」「会場の中へどうぞ」など、受付後にどこへ行けばよいのかを伝えましょう。

また、このタイミングでゲストから「お手洗いはどこですか?」「喫煙室はありますか?」といった質問を受けることがあるため、案内役を任されたときは、館内施設をある程度案内できるようにしておくとスムーズです。

受付を閉める

「そろそろ開式(開宴)です」と式場担当者から声を掛けられたら、受付をクローズします。芳名帳やゲストカードをもとに、遅刻した人(受付を済ませていない人)がいるかどうかを確認しましょう。遅刻者がいる場合の対応は、事前に打ち合わせしておいた通りに行います。

受付終了後

受付を閉じたら、受付係としての役目もおおむね終了です。ただし、受付終了後もやるべきことがいくつかあるので確認しておきましょう。

自分たちの記帳を済ませる

受付終了後は、自分たちの受付を済ませることを忘れずに。芳名帳に記入したり、ゲストカードを提出したりして配布物を受け取り、ご祝儀がある場合は一緒にまとめておきます。

場合によっては、受付係の受付は、ゲストが来る前に済ませることもあります。いずれの場合もうっかり忘れないよう、受付係同士で声を掛け合うようにしましょう。

ご祝儀と芳名帳を指定された人へ渡す

ゲストから受け取ったご祝儀はご新郎側とご新婦側に分けてまとめ、親御様や兄弟姉妹など「この人に渡してください」と指定されている人に直接手渡します。会場の金庫に保管するのであれば、式場担当者と一緒に金庫に入れ、鍵を指定された人に手渡しましょう。

ご祝儀は大金ですので、指定された人以外には絶対に渡さないよう、慎重に行動することが大切です。

ご新郎ご新婦に代わって笑顔でゲストをお迎えしよう!

結婚式の受付係の仕事は、ご新郎ご新婦やご両家の代わりにゲストを出迎えることです。受付係を頼まれたらホストの立場になることを意識し、上品な対応を心掛けましょう。

結婚式当日は、式場担当者と打ち合わせをしたうえで、自分以外の受付係とも連携しながら受付をこなしていくことになります。当日の受付をスムーズにこなすには早めに集合場所へ行き、会場内や備品などをあらかじめチェックしておきましょう。

初めて受付係を担当する際は、誰もが緊張するものですが、一番大切なのはおもてなしの心。ご新郎ご新婦のハレの日に華を添える気持ちを忘れずに、笑顔でゲストをお迎えしましょう。

この記事を書いた人
ライター Ayako

ライター Ayako

専門誌編集を経て、制作会社で結婚式用オリジナルペーパーアイテムの制作サポート、お客様インタビューなどを担当。現在はフリーでエンタメやビジネスの記事を中心に執筆中。趣味はご朱印集め。

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