【文例付き】結婚式で上手に乾杯の挨拶を行うには

【文例付き】結婚式で上手に乾杯の挨拶を行うには

結婚式の際に執り行う披露宴では、さまざまなプログラムが実施されます。ゲストとして招待を受けたときには、スピーチや余興などを依頼されることも少なくありません。

その中でも冒頭で行う「乾杯の音頭と挨拶」は、準主賓に当たるゲストに任される重要な役目です。大切な人から「乾杯の挨拶をしてほしい」とお願いされたら、マナーや言葉に気をつけながらその場が盛り上がる挨拶をしたいですよね。

この記事では、乾杯の挨拶を依頼されたときに気をつけたいことや、挨拶の内容を考えるときに役立つ例文をご紹介します。

目次

結婚式の披露宴で行う乾杯の挨拶とは

シャンパンを持つ新郎新婦

お祝いや宴の席で行われる乾杯とは、出席者全員でお祝いの気持ちを込めて杯をかかげること。披露宴の冒頭では、おめでたい日を迎えられたことを喜び、ご新郎ご新婦の前途を祝して乾杯が行われます。

乾杯の際は、披露宴の始まりの合図を兼ねて、ご新郎ご新婦と深い縁のある人が乾杯の音頭を取るのが恒例です。このときすぐに乾杯の発声に入っても問題はありませんが、一般的には短めのスピーチを盛り込んで場を盛り上げます。このスピーチが乾杯の挨拶にあたります。

挨拶といっても、長々と語る必要はありません。ご新郎ご新婦ならびにゲストの緊張をほぐすようなユーモアをまじえつつ、できるだけ手短にまとめることが大切です。

乾杯の挨拶をする流れ

披露宴で乾杯の挨拶をするタイミングは、冒頭にある「主賓による祝辞」の前後に行われるのが一般的です。乾杯が終わると、ウェディングケーキの入刀や食事の提供が始まります。

乾杯の挨拶を任された人には、ほとんどの場合、披露宴が始まる前に式場スタッフとの軽いお打合せがあります。不安なことがあればこのときに尋ねておきましょう。自分のグラスの扱い方(自分でマイクのある場所まで持って行くのか、それともスタッフから手渡されるのか)、着席・起立の声かけ(自分で、司会者が促すのか)などを確認しておくとスムーズです。

ご新郎ご新婦から乾杯の挨拶を依頼するときのマナーは、こちらの記事でご紹介しています。
結婚式での挨拶、誰に何をお願いする?依頼の仕方からお礼のマナーまでを解説

乾杯するグラス

乾杯の挨拶の基本構成と文例

乾杯の挨拶は、必要事項を盛り込みつつ手短にまとめるのがポイントです。その中でもメインとなる要素は、「ご新郎ご新婦にまつわるエピソード」や「はなむけの言葉」。挨拶をする人の自己紹介など、そのほかの部分が長いと間延びしてしまうので、ほどほどにしておきましょう。乾杯の挨拶に盛り込む基本項目と文例についてご紹介します。

1.自己紹介

司会者に促されてマイクの前に立ったら、まず自分の名前を名乗り、ご新郎ご新婦との関係を簡潔に紹介します。このときに使うマイクの高さは基本的に式場のスタッフが調整しますが、角度が気になるのであれば、話し始める前に自分で変えても構いません。カジュアルな雰囲気の披露宴では、手に持つタイプのワイヤレスマイクを使うこともあります。

挨拶の冒頭では、「僭越ながら」「若輩者ながら」とへりくだるひと言を添えましょう。「立派な経歴を持つ諸先輩方を差し置いて、自分が乾杯の挨拶を担当いたします」という謙虚な姿勢を示せます。

★文例
「ただいまご紹介にあずかりました、○○株式会社の○○○○ございます。本日は新郎の○○くんの上司として、このようなおめでたい席にお招きいただきましたことにお礼申し上げます。僭越ながら乾杯の音頭を取らせていただきます」

マイク

2.祝辞

ご新郎ご新婦及びご両家のご親族に向けて、お祝いの言葉を述べます。このとき、必要以上にかしこまる必要はありません。「おめでとう」という素直な気持ちを込めましょう。

★文例
「ご新郎の○○くん、ご新婦の○○さん、ならびにご両家のご親族の皆様、ご結婚まことにおめでとうございます」

3.エピソード・はなむけの言葉

結婚するおふたりのエピソードやはなむけの言葉を述べます。ご新郎ご新婦の人柄が伝わるような素敵なエピソードを用意しておくと、場が盛り上がりますよ。この部分は必須ではないため、持ち時間や当日のプログラムによっては省略することもできます。

★文例
「ご新郎の○○くんとは、○年前から上司と部下として一緒に働いております。非常に頼りになる存在であり、近頃は服装や髪型も洗練されて私の目から見てもいい男になったと感じていたのですが、その影にはセンス抜群のご新婦○○さんからのアドバイスがあったと聞いて、なるほどと納得した次第です」

4.乾杯の音頭

最後にゲストに対して起立を促し、乾杯の音頭を取ります。もしも挨拶で噛んでしまったり、言い間違えたりしてしまっても、この部分がきちんとできれば問題ありません。はっきりとした声で明るく「乾杯!」と発声しましょう。

★文例
「それでは皆様、グラスをお持ちになり乾杯のご唱和をお願いいたします。○○くんと○○さんの輝かしい未来と、ご両家ならびにご出席の皆様のさらなるご発展、ご健勝をお祈りいたしまして、乾杯!」

乾杯の様子

【関係者別】乾杯の挨拶文例

乾杯の挨拶は、ご新郎ご新婦の上司や先輩といった目上の立場の人が選ばれることが多いものの、学生時代の恩師や友人、親族が担当することも珍しくありません。披露宴の挨拶というと、かしこまったものだと考えてしまいがちですが、友人という間柄なら少しくだけた雰囲気のほうが好まれることも多く、立場によって挨拶の仕方も変わってきます。ご新郎ご新婦との関係別に、乾杯の挨拶で押さえておきたいポイントや文例をご紹介します。

【上司編】乾杯の挨拶の文例

乾杯の挨拶をする男性

ご新郎またはご新婦の上司として挨拶をするときは、上司だからこそ知っている職場での姿や社会人としての長所などを話すとよいでしょう。場合によっては、ゲストに向けて会社や事業について説明をする必要が出てきますが、長々と続けず簡潔にまとめるようにします。

★文例
「ご新郎の○○くんとは、弊社の○○という長期プロジェクトで5年ほど一緒に仕事をしております。そこに3年ほど前に配属されてきたのが、ご新婦の○○さんでした。皆様もご存じの通り○○くんも○○さんも仕事熱心ですから、会議ともなると私が口を挟めないほどふたりでヒートアップすることもありました。甘い雰囲気などまったく感じませんでしたので、結婚の報告を受けた日は、驚きのあまり会社にカバンを忘れて帰宅してしまったほどです」

【友人編】乾杯の挨拶の文例

乾杯の挨拶をする男性

ご新郎ご新婦の友人として出席し、乾杯の挨拶をする場合は、ユーモアを交えつつ友人ならではの心あたたまるエピソードを紹介しましょう。ただし、ご本人にとって触れてほしくない過去をさらけ出すのはご法度です。

★文例
「ご新郎の○○くんとは、小学生の頃から一緒に野球部でがんばってきました。中学生のときは○○くんがショート、私がピッチャーで県大会まであと一歩のところまでいったんです。しかし決勝で敗退してしまい、そのとき○○くんに『お前はよく投げてくれたのに、自分は打てなかった』と謝られ、ふたりで号泣しました。あのときから、○○くんのことを一番理解しているのは固い友情で結ばれた自分だと自負してきましたが、本日をもってその座を○○さんに譲りたいと思います」

【親族編】乾杯の挨拶の文例

挨拶をする男性

会社関係の人を招待しないなど少人数の結婚式では、おじやおば、年上のいとこなど親族が乾杯の挨拶を担当することもあります。この場合は、ご新郎ご新婦の子供時代や幼少期のエピソードを話すとよいでしょう。

★文例
「ご新郎の○○くんは、小さな頃からわが家へ遊びにきてくれました。私も○○くんも車が好きで、歳は離れていますが何かと話が合い、一緒にモーターショーやサーキットにも行きました。いつも後からイラストが描かれたお礼の手紙を送ってくれて、それは今でも大切に保管してあります。○○くんから『助手席に乗ってくれる人ができた』と連絡があったのは、半年ほど前のことでしょうか。こうしてハレの日を迎えられたことを、心より嬉しく思います」

【恩師編】乾杯の挨拶の文例

乾杯の挨拶をする女性

恩師として挨拶をするときは、ご新郎ご新婦の学生時代が分かるエピソードを盛り込みましょう。学校の教師ではなく習いごとの先生という立場であれば、その道に打ち込んできた姿を紹介すると好印象です。

 

★文例
「ご新郎の○○くんとご新婦の○○さんは、私が主宰する○○研究室での先輩と後輩という関係で、学生時代は共に○○の研究に打ち込んでいました。フィールドワークでは地域の方々や子どもたちと接する機会も多く、○○くんは誰に対しても穏やかに接する○○さんの姿に心を奪われたと聞いております。○○くんはいつも率先して皆をまとめ、研究に必要な重い荷物も運んでくれる好青年で、おふたりがこうして夫婦となることに、私も喜びを隠しきれません」

【新郎編】乾杯の挨拶の文例

挨拶をする新郎

カジュアルな雰囲気の披露宴では、新郎が披露宴の冒頭でおもてなしの気持ちを述べる「ウェルカムスピーチ」とともに、自ら乾杯の音頭を取ることもあります。その場合は「ゲストに楽しんでもらいたい」という気持ちを込めましょう。

★文例
「本日はご多用中のところ、私たちの披露宴にお運びくださいまして、まことにありがとうございます。挙式は先ほどつつがなく執り行うことができました。本日は堅苦しいことは抜きにして、皆様に楽しいひとときを過ごしていただきたく、私たちふたりで乾杯の音頭をとらせていただきます。それでは皆様、グラスをお手にとってご唱和ください。乾杯!」

結婚式の乾杯の挨拶を上手に行うポイント

乾杯の挨拶を依頼された人は、ご新郎ご新婦にとって大切な存在であるのはもちろんのこと、「盛り上げ上手」とも思われているといえます。挨拶を成功させ、おめでたい場に華を添えるためにも、マナーやルールをチェックしておきましょう。乾杯の挨拶で失敗しないために押さえておきたいポイントをご紹介します。

乾杯をする新郎新婦

忌み言葉を避ける

忌み言葉とは、その場において縁起が悪いとされる言葉です。結婚式や披露宴での忌み言葉には、次のようなものがあります。

・別れを連想させる言葉(別れる/切れる/終わる/離れる/冷めるなど)
・繰り返すことを連想させる重ね言葉(重ね重ね/次々/ますます/たびたびなど)

これらのキーワードは、「新郎の○○くんは社内でも評判の切れ者で…」など、ご新郎ご新婦を褒めるときにも何気なく使ってしまいがちなものです。うっかり使ってしまわないよう、あらかじめ原稿に書いてチェックしておきましょう。

内輪ネタを使わない

友人同士でおなじみの内輪ネタや下ネタは、一部の人が盛り上がるかもしれませんが、結果的にはその場の雰囲気をしらけさせてしまうことも。ご新郎ご新婦のご親族や子ども、会社関係の出席者もいることを考慮し、万人に受け入れられる文章を考えましょう。また、会社の宣伝や自分自身の話を延々とすることもおすすめできません。

長くなりすぎないようにする

乾杯の挨拶にかける時間は、1分30秒前後が目安といわれています。これは文字数にすると400~500文字程度です。乾杯の挨拶を依頼されたときは、本番を迎えるまでに一度内容を文章化して、忌み言葉を使っていないか、長すぎないかをチェックをしておきましょう。

披露宴では、乾杯が終わらないとゲストは料理を食べられません。また、あまりにも長いと乾杯のために注がれたお酒から炭酸が抜けてしまいます。お祝いの場にふさわしいご新郎ご新婦のエピソードを中心にしつつ、適切な長さにまとめることが大切です。

所作を丁寧に

乾杯の挨拶で大げさにかしこまる必要はありませんが、一つひとつの動作をゆっくり丁寧に行うことを意識すると、堂々と落ち着いて見えます。髪に手をやったり服装を気にしたりするとソワソワして見えてしまうので、背筋を伸ばしてゆったりと振る舞いましょう。

またマイクの前に立つときや席に戻るときなど、ひとつのアクションの前に一礼をすれけば、礼儀正しい印象を与えます。さらに一番大切なのは、笑顔を絶やさないこと。緊張しているときは、挨拶の際に「ご指名をいただいて緊張しています」と打ち明けてしまうのもひとつの方法です。

新郎新婦の名前を確認

乾杯の挨拶ではご新郎ご新婦の名前を呼ぶため、よみがなは事前にしっかりと把握しておきましょう。このほかにも、勤務先の会社名や部署名といった固有名詞を盛り込むときは、言い間違えてしまうと失礼にあたるため要確認です。

また、披露宴の雰囲気はカジュアルなのかそれともフォーマルなのか、ゲストにはどんな人を招待しているのかもあらかじめ把握しておくと、挨拶の文章が作りやすくなります。

乾杯の挨拶を依頼されたら上手に盛り上げよう

乾杯の様子

乾杯の挨拶は、披露宴が始まる合図となる大切なものです。依頼されたとしたら、それはご新郎ご新婦から信頼されている証でもあります。ここでご紹介したポイントを押さえつつ、ハレの日を迎えたおふたりへの祝福を込めて、宴が盛り上がる挨拶を考えてみましょう。そのときに心掛けたいことは、簡潔にまとめることと、ご新郎ご新婦の人柄が伝わるようなエピソードを盛り込むこと、忌み言葉を使わないことです。

また、失敗しないためには、事前の準備も大切。挨拶の内容を一度文章にし、事前に読み上げて練習しておくと、披露宴当日にあまり緊張せずに済みます。心あたたまる挨拶を披露して、大切な人の大切な日を盛り上げましょう。

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この記事を書いた人
ライター Ayako

ライター Ayako

専門誌編集を経て、制作会社で結婚式用オリジナルペーパーアイテムの制作サポート、お客様インタビューなどを担当。現在はフリーでエンタメやビジネスの記事を中心に執筆中。趣味はご朱印集め。

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