結婚の挨拶をしたらお礼状を出そう。書き方や基本マナーを確認

結婚の挨拶をしたらお礼状を出そう。書き方や基本マナーを確認

結婚挨拶のあとは、親御様へ感謝を伝えるためにお礼状を送りたいもの。必ずしも必要ではありませんが、お礼状を出すと「ありがとうございました」という想いがしっかりと伝わります。

しかし、「具体的には何を書いたら良いの?」「書き方のマナーが知りたい」というカップルもいるかもしれません。

そこで本記事では、結婚挨拶のあとに送るお礼状について、基本マナーや書き方のポイントを解説します。文例も紹介しますので、お礼状の書き方に悩んでいるカップルは、ぜひ参考にしてください。

目次

結婚挨拶のお礼状例文

結婚挨拶のお礼状は、送る側やシーンによって書き方が異なります。場合によっては、挨拶したときの状況を考慮する必要があるでしょう。

まずは、結婚挨拶のお礼状の例文を、6つのパターン別に紹介します。

女性から送る場合

新婦が相手の親御様に送る場合のポイントは、少しやわらかさを感じさせる文体にすることです。

「拝啓 先日はお忙しいなか私たちのためにお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。挨拶のときは緊張していましたが、お父様とお母様に温かいお言葉をいただき、和やかな時間を過ごすことができました。また、○○さん(新郎の名前)との結婚をお許しいただきましたこと、改めて感謝申し上げます。そして、優しさに溢れたご家族の一員として迎えていただけることを、心から嬉しく思います。未熟な私ですが、○○さん(新郎の名前)と支えあって幸せな家庭を築く所存です。どうぞ、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。末筆ではございますが、おふたりのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、まずはお礼のご挨拶とさせていただきます。かしこ」

男性から送る場合

新郎が相手の親御様に送る場合のポイントは、今後に対しての決意や頼もしさを感じさせる表現にすることです。

「拝啓 先日はご多用中にもかかわらず私たちのために貴重な時間を割いていただき、誠にありがとうございました。挨拶のときはとても緊張していたのですが、お父様とお母様が温かく接してくださり、楽しい時間を過ごすことができました。また、○○さん(新婦の名前)さんとの結婚を快くお許しいただきましたこと、心より感謝申し上げます。○○さんと結婚させていただけることに改めて幸せを感じるとともに、身の引き締まる思いでいっぱいです。未熟な私ですが、お父様とお母様のような素敵なご夫婦になれるよう○○さんと協力してまいります。今後とも、ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。末筆ではございますが、お父様とお母様のご健康とご多幸をお祈り申し上げ、まずはお礼のご挨拶とさせていただきます。敬具」

堅苦しくないバージョン

すでに相手の親御様と親しい場合は、頭語や結語などを省いてもかまいません。堅苦しくないお礼状で感謝の気持ちを伝えましょう。

「先日はお忙しいところお時間を割いていただき、ありがとうございました。これまでも、お父様とお母様には日頃から大変よくしていただいておりましたが、改めて結婚のご挨拶ができ、大変嬉しく思います。改めまして、○○さん(パートナーの名前)との結婚をお許しいただき、誠にありがとうございます。これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。簡単ではございますが、まずはお礼を申し上げたく、筆をとらせていただきました。本当にありがとうございました」

食事やお茶をご馳走になったとき

結婚挨拶で食事やお茶を出していただいた場合は、お礼状の本文で、それについて触れると良いでしょう。お料理やお菓子の名前を具体的にあげると、より印象が良くなります。

「お食事までご馳走になりまして、誠にありがとうございました。特に○○は大変美味しかったです」「お菓子をいただき、ありがとうございました。○○は私も好きなお菓子です。大変美味しくいただきました」

緊張でうまく話せなかった場合

緊張のあまりうまく話せなかった場合は、言葉にできなかった思いをお礼状で伝えましょう。

「ご挨拶当日は、緊張のあまり至らないところも多く、十分にお話できませんでした。大変、申し訳なく思っております。何卒、お許しください」「未熟ではございますが、○○さんにふさわしい相手になれるよう、精進してまいります。ご指導いただければ幸いです」

まず謝罪の言葉を述べ、今後の決意を伝え、誠意を見せましょう。

結婚挨拶で難色を示された場合

結婚を承諾してもらえなかった場合も、お礼状を送って誠意を伝え、良い印象を持ってもらいましょう。

「拝啓 先日はお忙しいなか貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。○○さん(パートナーの名前)のお父様お母様にご挨拶させていただけましたこと、大変感謝しております。そして、お父様とお母様とお話させていただき、自分の未熟さを痛感しております。至らないところが多い私ではございますが、○○さんにふさわしい相手になれるよう精進してまいります。どうかご指導をいただければ幸いです。また近いうちにご挨拶させていただければと存じます。まずは御礼を申し上げたく、お便り致しました。敬具」

ポイントは、挨拶の機会をもらったことへのお礼を伝えたうえで、結婚を許してもらうために、また挨拶をさせてほしいと記すことです。

お礼状の基本的な構成

お礼状の構成には、一定のルールがあります。本文の書き方にもマナーがあり、これらに則って書けば、きちんとしたお礼状を送れるでしょう。

ここでは、お礼状の基本構成とそれぞれの書き方のポイントを紹介します。

1.頭語/結語|セットで使用する

頭語とは「こんにちは」に相当する言葉で、結語は「さようなら」に相当する言葉です。頭語と結語はセットで使います。さまざまな組み合わせがありますが、代表的なものは以下です。

結語に「かしこ」を使用することができるのは女性の場合です。

なお、お礼状は結婚挨拶のあと、すぐに出す手紙なので時候の挨拶を書く必要はありません。

2.前文|お礼を述べる

本文の前に、結婚挨拶のために時間をとっていただいたことへのお礼を述べます。「お忙しいなか貴重な時間をいただき」「ご多用中にもかかわらず時間を割いていただき」といった表現で、感謝の気持ちを伝えましょう。

3.本文|前向きな姿勢を見せる

本文では、結婚を認めていただいたことへのお礼と、今後もお付き合いいただくための挨拶を述べます。「○○さんとの結婚をお許しいただきましたこと、改めて感謝申し上げます」「今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます」と書きましょう。マイナスな表現は避け、今後へ向けた前向きな内容を書いてください。

4.結びの挨拶|思いやりの気持ちを添える

本文の最後には、締めくくりの言葉を述べます。ただし、「追伸」はNGです。結婚挨拶のお礼状では、「おふたりのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、まずはお礼のご挨拶とさせていただきます」など、親御様の健康や幸せを祈る気持ちを書き、最後まで思いやりの気持ちを添えましょう。

5.日付、署名、相手の親御様の名前

お礼状のようなフォーマルな手紙の場合、結語のあとには、日付・署名・相手の親御様の名前を書きます。日付は、本文のはじめより少し下げて書くと、見栄えが良くなります。また、西暦ではなく、「令和○年○月○日」と漢字で書いた方が良いでしょう。自分の名前は下に寄せ、親御様の名前は並べて上に寄せます。お母様は名字を省略し、下の名前だけでOKです。

そもそも結婚挨拶のお礼状とは?

結婚挨拶のお礼状を書くことに対して、「手書きの手紙は堅苦しい」「わざわざ書く必要はないのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、結婚挨拶のお礼状には、きちんとした目的があります。

出さないと失礼?

結婚挨拶のお礼状は、絶対に必要なものではありません。しかし、結婚に対する自分の真剣な気持ちや相手の親御様に対する感謝の気持ちを伝えるためにも、出すことをおすすめします。

マナーを守ったお礼状を送ると、親御様も「しっかりしている人だな」と思い、安心するでしょう。メールでのやりとりが増えた現代だからこそ、手書きの手紙はより親しみがあり喜んでもらえるといえます。

手紙を出さない場合でも電話をするなど、一言お礼を伝えると良いでしょう。

いつまでに出すべき?

結婚挨拶のお礼状は、遅くても1週間以内には届くように出しましょう。まずは、当日中に電話し、「無事家に着きました」「本日はお時間を割いていただき、ありがとうございました」とお礼の気持ちを伝えます。

そして、お礼状も当日中に送るのがベスト。結婚挨拶の日から間が空いてしまうと、「今さら…」と思われてしまいかねません。時間が空いてしまった場合は、手紙にお詫びの言葉を簡単に添えましょう。

はがき?封筒?LINEやメールでもよい?

お礼状は、封筒に便箋を入れて送るのが一般的です。親御様との関係性によっては、LINEやメールでも良いでしょう。LINEやメールの場合は、頭語や結語を使わなくてもかまいません。堅苦しすぎず、丁寧な言葉遣いに気をつけながら、感謝の気持ちを伝えましょう。

お礼状の書き方。基本マナーをおさえておこう

ここからは、お礼状の封筒や便箋の選び方、宛名の書き方などを解説します。基本マナーをしっかりおさえ、丁寧なお礼状にしましょう。

封筒や便箋の選び方

お礼状は、ハガキではなく封書で出すのがマナーです。お礼状を入れる封筒は、B5サイズの便箋が入るサイズで、白い縦長の「長形4号」が一般的。二重構造になっている、厚手で中が透けないものを選びましょう。

便箋は、白無地が一番無難です。縦の罫線が入ったものでも良いでしょう。基本的に、色や柄が入っていないものが無難ですが、送る相手の印象や好みによってデザインを選んでもOKです。

絵柄入りの場合は、季節感のあるものや幸福のモチーフが入ったものなどがおすすめ。ただし、便箋全面にあしらわれているような派手なものではなく、字がきちんと見えるような、シンプルで上品なデザインにしましょう。

お礼状は手書き・縦書きが基本

お礼状は、手書き・縦書きが基本です。親しい間柄の場合は横文字で書くことがありますが、カジュアルな印象があり、お礼状にはふさわしくありません。

また、字を綺麗に書けないことを気にする人もいるかもしれませんが、手書きのほうがより気持ちが伝わります。字を書くことが苦手でも、心を込めてゆっくり丁寧に書きましょう。

使用するペンは、お相手や与えたい印象によって選びます。毛筆や筆ペン、万年筆は高級感があり、手紙に重みが増すでしょう。そこまで気にしない親御様の場合は、ボールペンでもかまいません。

便箋の折り方・封筒の入れ方

便箋の折り方は、縦の三つ折りが基本です。封筒のサイズによっては四つ折りでもかまいません。取り出しやすく、かつ読みやすいことを意識して入れましょう。

三つ折りの折り方

縦長の便箋が3等分になるよう折り目をつけたあと、下から折り、次に上から折ります。封筒に入れるときは、便箋の書き出しが封筒の裏側からみて右上にくるように入れましょう。

四つ折りの折り方

三つ折りと同じように、4等分になるように折り目をつけます。次に、下から半分に折り、さらにもう半分を下から折ります。封筒への入れ方は、三つ折りと同じです。

封筒に入れたらのりで封をし、綴じ目に「〆」を記しましょう。

宛名の書き方

封筒の宛名の書き方について、表面・裏面、それぞれ説明します。

表面

宛名は中央に大きく記します。

山田 太郎様

   花子様

このように、お父様の名前の横にお母様の下の名前を並べ、「様」の高さを揃えて書くのがマナーです。郵便番号は右上に書き、郵便番号のすぐ下に、宛名より小さめの字で住所を書きましょう。

裏面

左下に、小さめに自分の住所・名前を書きます。郵便番号は、住所の上でも下でもOK。左上には、日付を書きましょう。日付は、ポストに投函する年月日を「令和○年○月○日」と漢字で書きます。

ていねいなお礼状で気持ちを伝えよう

結婚挨拶のお礼状は、貴重な時間を割いていただいた親御様へ感謝の気持ちを伝えるとともに、結婚に対する真剣な気持ちを伝えるための手紙です。「字を書くのが苦手…」という人もいるかもしれませんが、大切なのはおふたりの想い。手書きで書き、遅くても結婚挨拶から1週間以内に送りましょう。結婚挨拶に行く前に、封筒や便箋、筆ペンなどを買い揃えておき、あらかじめ宛名・差出人を書いておくと慌てることなく、スピーディに送ることができます。

親御様に喜んでもらえるよう基本マナーを守り、丁寧なお礼状を書いてくださいね。

結婚の挨拶に関しては、以下の記事も参考に!

\挨拶のあとは式場探し♡/

この記事を書いた人
ライター 瀬上友里恵

ライター 瀬上友里恵

地方在住のフリーライター。詩人として創作活動も嗜む。2児の母として子育て奮闘中。

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