結婚式の乾杯挨拶をお願いされたら何をする？流れや贈る言葉は？【文例付き】

お祝いや宴の席で行われる乾杯とは、出席者全員でお祝いの気持ちを込めて杯をかかげること。披露宴の冒頭では、おめでたい日を迎えられたことを喜び、ご新郎ご新婦の前途を祝して乾杯が行われます。

乾杯の際は、披露宴の始まりの合図を兼ねて、ご新郎ご新婦と深い縁のある人が乾杯の音頭を取るのが恒例です。

このときすぐに乾杯の発声に入っても問題はありませんが、一般的には短めのスピーチを盛り込んで場を盛り上げます。このスピーチが乾杯の挨拶にあたります。

挨拶といっても、長々と語る必要はありません。ご新郎ご新婦ならびにゲストの緊張をほぐすようなユーモアをまじえつつ、できるだけ手短にまとめることが大切です。

披露宴で乾杯の挨拶をするタイミングは、冒頭にある「主賓による祝辞」の前後に行われるのが一般的です。乾杯が終わると、ウェディングケーキの入刀や食事の提供が始まります。

乾杯の挨拶を任された人には、ほとんどの場合、披露宴が始まる前に式場スタッフとの軽いお打合せがあります。不安なことがあればこのときに尋ねておきましょう。

乾杯の挨拶は、必要事項を盛り込みつつ、手短にまとめるのがポイントです。メインとなる要素は、【ご新郎ご新婦にまつわるエピソード】や【はなむけの言葉】。乾杯の挨拶に盛り込む基本項目と文例についてご紹介します。

司会者に促されてマイクの前に立ったら、まず自分の名前を名乗り、ご新郎ご新婦との関係を簡潔に紹介します。

このときに使うマイクの高さは基本的に式場のスタッフが調整しますが、角度が気になるのであれば、話し始める前に自分で変えても構いません。カジュアルな雰囲気の披露宴では、手に持つタイプのワイヤレスマイクを使うこともあります。

挨拶の冒頭では、「僭越ながら」「若輩者ながら」とへりくだるひと言を添えましょう。「立派な経歴を持つ諸先輩方を差し置いて、自分が乾杯の挨拶を担当いたします」という謙虚な姿勢を示せます。

挨拶をする人の自己紹介はコンパクトにまとめることで、間延びせず、してしまうので、ほどほどにしておきましょう。

ご新郎ご新婦及びご両家のご親族に向けて、お祝いの言葉を述べます。このとき、必要以上にかしこまる必要はありません。「おめでとう」という素直な気持ちを込めましょう。

結婚するおふたりのエピソードやはなむけの言葉を述べます。ご新郎ご新婦の人柄が伝わるような素敵なエピソードを用意しておくと、場が盛り上がりますよ。

この部分は必須ではないため、持ち時間や当日のプログラムによっては省略することもできます。

最後にゲストに対して起立を促し、乾杯の音頭を取ります。もしも挨拶で噛んでしまったり、言い間違えたりしてしまっても、この部分がきちんとできれば問題ありません。はっきりとした声で明るく「乾杯！」と発声しましょう。

乾杯の挨拶で話す内容には、気をつけておきたいこともあります。本番を迎えるまでに一度文字に起こしてみて、【忌み言葉】と【内輪ネタ】を避け、【長すぎない】かどうか、事前にチェックをしておきましょう。

忌み言葉とは、その場において縁起が悪いとされる言葉です。結婚式や披露宴での忌み言葉には、次のようなものがあります。

これらのキーワードは、「新郎の○○くんは社内でも評判の切れ者で…」など、ご新郎ご新婦を褒めるときにも何気なく使ってしまいがち。うっかり使ってしまわないよう、あらかじめ原稿に書いてチェックしておきましょう。

友人同士でおなじみの内輪ネタや下ネタは、一部の人が盛り上がるかもしれませんが、その場の雰囲気をしらけさせてしまうことも。

ご新郎ご新婦のご親族や子ども、会社関係の出席者もいることを考慮し、万人に受け入れられる文章を考えましょう。また、会社の宣伝や自分自身の話を延々とすることも避けましょう。

乾杯の挨拶にかける時間は、1分30秒前後が目安といわれています。これは文字数にすると400～500文字程度です（前出の【基本構成と文例】参照）。

披露宴では、乾杯が終わらないとゲストは料理を食べられず、また、あまりにも長いと乾杯のために注がれたお酒から炭酸が抜けてしまうことも。

お祝いの場にふさわしいご新郎ご新婦のエピソードを中心にしつつ、適切な長さにまとめることが大切です。

乾杯挨拶のスピーチを考える際、事前に、知っておきたいことがあります。結婚式のマナーにもつながるため、依頼を受けたら、ご新郎ご新婦に確認しておきましょう。

乾杯の挨拶ではご新郎ご新婦の名前を呼ぶため、漢字の読み方は事前にしっかりと把握しておきましょう。

このほかにも、勤務先の会社名や部署名といった固有名詞を盛り込むときは、言い間違えてしまうと失礼にあたるため要確認です。

披露宴の雰囲気はカジュアルなのか、それともフォーマルなのか、ゲストにはどんな人を招待しているのかをあらかじめ聞いておくことで、ゲストや雰囲気にあわせた挨拶の文章が作りやすくなります。

内輪ネタを避けたほうがよいのと同じように、プライベートなことに関わることは、誰の視点で見るかによって、受け取り方も変わってきます。

ご自身で面白いと思っていても、ご新郎ご新婦にとっては話してほしくないこととも限らないため、挨拶の内容でプライベートなことに触れる際は、必ず確認をとりましょう。

おめでたい場に華を添えるためにも、マナーやルールをチェックしておくと安心です。乾杯の挨拶で失敗しないために押さえておきたいポイントをご紹介します。

乾杯の挨拶で大げさにかしこまる必要はありませんが、一つひとつの動作をゆっくりていねいに行うことを意識すると、堂々と落ち着いて見えます。

髪に手をやったり服装を気にしたりするとソワソワして見えてしまうので、背筋を伸ばしてゆったりと振る舞いましょう。

マイクの前に立つときや席に戻るときなど、ひとつのアクションの前に一礼をすれば、礼儀正しい印象を与えます。

そして、一番大切なのは、笑顔を絶やさないこと。緊張しているときは、挨拶の際に「ご指名をいただいて緊張しています」と打ち明けてしまうのもひとつの方法です。

乾杯の挨拶は、簡潔にテンポよく行うことが大切。しっかり準備して、できるだけカンペなしで臨むのが一番。

乾杯の挨拶を依頼された人は、ご新郎ご新婦にとって大切な存在であるのはもちろんのこと、「盛り上げ上手」とも思われているとも言えます。人前に出ることは緊張もしますが、自信をもって乾杯の挨拶を行いましょう！

乾杯の挨拶は、ご新郎ご新婦の上司や先輩といった目上の立場の人が選ばれることが多いものの、学生時代の恩師や友人、親族が担当することも珍しくありません。

披露宴の挨拶というと、かしこまったものだと考えてしまいがちですが、友人という間柄なら少しくだけた雰囲気のほうが好まれることも多く、立場によって挨拶の仕方も変わってきます。

そこで、ご新郎ご新婦との関係別に、乾杯の挨拶で押さえておきたいポイントや文例をご紹介します。

ご新郎またはご新婦の上司として挨拶をするときは、上司だからこそ知っている職場での姿や社会人としての長所などを話すとよいでしょう。場合によっては、ゲストに向けて会社や事業について説明をする必要が出てきますが、長々と続けず簡潔にまとめるようにします。

ご新郎ご新婦の友人として出席し、乾杯の挨拶をする場合は、ユーモアを交えつつ友人ならではの心あたたまるエピソードを紹介しましょう。ただし、ご本人にとって触れてほしくない過去をさらけ出すのはご法度です。

会社関係の人を招待しないなど少人数の結婚式では、おじやおば、年上のいとこなど親族が乾杯の挨拶を担当することもあります。この場合は、ご新郎ご新婦の子供時代や幼少期のエピソードを話すとよいでしょう。

恩師として挨拶をするときは、ご新郎ご新婦の学生時代が分かるエピソードを盛り込みましょう。学校の教師ではなく習いごとの先生という立場であれば、その道に打ち込んできた姿を紹介すると好印象です。

カジュアルな雰囲気の披露宴では、新郎が披露宴の冒頭でおもてなしの気持ちを述べる「ウェルカムスピーチ」とともに、自ら乾杯の音頭を取ることもあります。その場合は「ゲストに楽しんでもらいたい」という気持ちを込めましょう。

乾杯の挨拶は、披露宴が始まる合図となるもの。依頼されたとしたら、それはご新郎ご新婦から信頼されている証でもあります。ここでご紹介したポイントを押さえつつ、ハレの日を迎えたおふたりへの祝福を込めて、宴が盛り上がる挨拶を考えてみましょう。

また、失敗しないためには、事前の準備も大切。挨拶の内容を一度文章にし、事前に読み上げて練習しておけば、披露宴当日に慌てたり、言葉に詰まったりすることもありません。心あたたまる挨拶を披露して、大切な人の大切な日を盛り上げましょう。

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※記事内容を最新情報に更新しました(2024.5.4)