
挙式とは?披露宴との違いやそれぞれの流れ・挙式スタイルの選び方を紹介
結婚が決まったら、多くのカップルが結婚式の準備にとりかかります。挙式とは具体的に何をするのか、また、挙式と披露宴の違いについて、曖昧な部分がある方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、挙式を中心に、挙式スタイルの種類や披露宴との違い、選び方などを詳しく解説します。挙式について理解を深めれば、より想い出に残る結婚式になるでしょう。これから結婚式に向け準備をはじめる予定の新郎新婦は、ぜひ参考にしてください。
- 目次
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- 挙式の意味とは?披露宴、結婚式との違い
- 挙式は神や立会人の前で結婚を誓い合う儀式
- 披露宴は“お披露目の宴”と“おもてなし”の場
- 挙式と結婚式は何が違う?
- 家族で挙式のみもあり?
- 【結婚式の流れ】挙式~披露宴までの一日の流れ
- 挙式の流れ(30分程度)
- 披露宴の流れ(2~3時間程度)
- 挙式スタイルの種類
- 教会式(キリスト教式)
- 人前式
- 神前式
- 仏前式
- 自分たちに合った挙式スタイルの選び方
- ①信仰する宗教で選ぶ
- ②挙式会場の雰囲気で選ぶ
- ③挙式の演出で選ぶ
- ④心に響く音楽で選ぶ
- ⑤衣装で選ぶ
- ⑥参列可能な人数で選ぶ
- ⑦人と被らないスタイルから選ぶ
- 挙式の意味を理解して憧れの結婚式を叶えよう
挙式の意味とは?披露宴、結婚式との違い
まずは、【挙式】と【披露宴】、【結婚式】について解説していきます。
挙式は神や立会人の前で結婚を誓い合う儀式
挙式とは、新郎新婦が結婚を誓いあう儀式のこと。日本における挙式では、キリスト教や神道など、各宗教における神の前、または立会人の前で夫婦になることを誓うことが一般的です。
よく知られている挙式のシーンに、バージンロードを歩くシーンや誓いのキスをするシーンがありますが、これらはキリスト教に沿った教会式。神社で神職に祝詞(のりと)を読み上げてもらうのは、神道に沿った神前式です。
披露宴は“お披露目の宴”と“おもてなし”の場
披露宴とは、自分たちが結婚したことを、親族・友人・同僚など、大切な人やお世話になった人にお披露目するために行う宴(パーティ)。披露宴は基本的に、挙式のあとに行います。
新郎新婦は、ゲストにお料理やお酒をふるまったり、想い出のムービーを流したりし、楽しく感動的な演出でおもてなしします。そして、今まで見守ってくれたことに対する感謝の気持ちを伝えるとともに、「今後は夫婦として、よろしくお願いします」という挨拶をします。
披露宴の時間はだいたい2~3時間程度で、一般的にはゲストからご祝儀をいただきます。
挙式と結婚式は何が違う?
挙式と似た言葉に、結婚式があります。挙式も結婚式も「結婚の誓いを立てる」ということを示しますが、現在では「挙式+披露宴」のことを総じて結婚式と呼んでいます。
家族で挙式のみもあり?
挙式と披露宴に分けられていますが、ここ数年は特に、新郎新婦の家族や親族など身内のみで挙式を行うスタイルも増えています。
挙式のみの場合は費用を抑えられるなどのメリットがありますが、そのあとどこかで食事会を開催したり、挙式を行った身内以外にお世話になった人たちに別途挨拶に回ったりすることも。
また、挙式の列席者を家族・親族のみにし、披露宴や二次会(1.5次会)から友人などを招くパターンもあります。
【結婚式の流れ】挙式~披露宴までの一日の流れ
ここでは、一般的な結婚式の大まかな流れを説明します。

1.新郎新婦の会場入り・支度開始
新郎新婦が挙式会場に入り、衣装に着替えたりメイクをしたりして支度します。

2.ファーストミート
結婚式当日、別々の部屋で支度を終えた新郎新婦が、お互いの姿を初めて見せ合います。

3.挙式リハーサル
会場のセッティングが整った段階で、挙式の進行を確認します。

4.親族紹介
両家の家族や親戚が一堂に会し、新郎新婦との間柄を紹介しながら、挨拶を交わします。

5.挙式
教会式・神前式などそれぞれのスタイルで挙式を行います。

6.披露宴
披露宴会場に移動し、披露パーティを行います。

7.二次会
友人や同僚など親しい人を集め、レストランやホテルの宴会場などで二次会を行います(ただし、二次会の開催は自由なので省くこともあります)。
挙式の流れ(30分程度)
挙式には教会式や神前式などがあり、流れはスタイルによって異なりますが、多くの結婚式場では挙式前にリハーサルを行ってくれるので、心配しなくても大丈夫。
入退場の歩き方や速度、宣誓の声出し、お辞儀の角度や長さなどの所作についても細かくスタッフが教えてくれます。当日までに大まかな流れを把握しておくことで、リハーサルもスムーズに進むでしょう。
披露宴の流れ(2~3時間程度)
披露宴の一般的な流れは以下のとおりです。必ずしもこの流れに沿わなければならないということはなく、おふたりの意向に沿ったオリジナルの流れにすることもできます。その際は、ウェディングプランナーと打ち合わせをしながら決めていきます。

1.新郎新婦が入場
会場の出入り口から、新郎新婦がスポットライトを浴びたりオープニングムービーにあわせたりしながら入場します。ゲストたちの拍手で一気に場が盛り上がります。

2.祝辞
祝辞は、新郎側の主賓、新婦側の主賓の順に行います。この際、新郎新婦は起立し、主賓の方にすすめられてから着席します。

3.乾杯の挨拶
来賓の代表が挨拶をし、乾杯の音頭をとります。新郎新婦、ゲスト全員が起立して乾杯します。

4.会食スタート・歓談
司会者の合図で食事をしながら歓談します。新郎新婦はゲストと一緒に写真を撮ったり、親はゲストにお酌しながら挨拶をしたりしながら、それぞれ楽しく過ごします。

5.ケーキ入刀
おふたりで一緒にウェディングケーキに入刀します。ケーキカットのあとは最初の一切れを新郎新婦が食べさせるファーストバイトを行うことが主流です。

6.お色直し
一般的に、まず新婦が退場後、少し間をおいて新郎も退場し、それぞれ衣装を着替えます。退場や再入場のエスコートは親や兄弟姉妹、親しい友人にサプライズで指名すると会場が盛り上がります。

7.余興
新郎新婦の友人や同僚による歌やダンス、ゲームを楽しんだりムービーを流したりします。

8.花嫁の手紙
新婦が親に宛てた手紙を読みます。親は下座に並んで立ち、新郎が新婦にマイクを向けます。
▶花嫁の手紙の書き方

9.花束贈呈
手紙を読み終えたら、花束などの記念品を親に渡し、感謝の気持ちを伝えます。

10.代表謝辞
一般的には両家を代表して、新郎の父親が謝辞を述べます。親やゲストにあらためて結婚を報告し、感謝を伝える新郎謝辞も行われます。
▶謝辞の作り方

11.新郎新婦が退場
司会者が披露宴のお開きを告げ、新郎新婦が退場します。
挙式スタイルの種類
日本で行われる挙式には、いくつか種類があります。主なスタイルは、教会式・人前式・神前式・仏前式の4つです。ここでは、それぞれの挙式スタイルについて簡単に紹介します。
教会式(キリスト教式) | 新婦や牧師の元、教会、もしくは結婚式場のチャペルで行う挙式。 |
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人前式 | 参列者が立会人となり、新郎新婦が結婚の誓いを立てるスタイル。ルールもなく、場所も自由に決められる。 |
神前式 | 神職の元、神社や神殿が併設されている結婚式場・ホテルなどで行う挙式。 |
仏前式 | 僧侶の元、寺院(どちらかの家の菩提寺)の本殿、または自宅の仏壇の前などで行う挙式。 |
教会式(キリスト教式)
教会式は、日本で最もポピュラーな挙式スタイルです。教会式は大きく分けるとカトリックとプロテスタントがあり、カトリックは神父、プロテスタントは牧師が執り行います。会場は、教会もしくは結婚式場のチャペルです。
キリスト教徒でなくても教会式を挙げることは可能ですが、カトリックの教会では信者でなければできない場合があります。衣装は、新郎がタキシード、新婦はウェディングドレスを着ることが一般的です。
\教会式を詳しく解説!/
人前式
人前式は宗教に関係なく、参列者が立会人となって新郎新婦が結婚の誓いを立てるスタイルです。
進行や誓いの言葉などにもルールはなく、基本的に新郎新婦が自由に作り上げることができるため、オリジナルの式を挙げたい場合におすすめ。
服装にもルールはなく、洋装でも和装でもかまいません。なかには、自分たちらしいカジュアルな衣装を選ぶ新郎新婦もいます。
神前式

神前式は神職が執り行う式で、会場は神社や神殿が併設されている結婚式場・ホテルなどです。
神前式は、神道のしきたりに沿って行う挙式なので、日本の伝統ならではの厳粛な雰囲気を感じられます。格式の高い結婚式を挙げたい場合におすすめ。
衣装は、新郎が紋付き袴で、新婦は白無垢や色打掛などを着ます。
仏前式

仏前式は、寺院(どちらかの家の菩提寺)の本殿、または自宅の仏壇の前などで行う挙式です。執り行うのは僧侶で、仏様に感謝するとともに祖先に結婚を報告し、来世までの巡りあわせを誓います。
なお、仏前式では参列者を親族のみとする場合が多く、挙式可能な結婚式場やホテルはそう多くありません。
衣装は、新郎が紋付き袴、新婦は白無垢や色打掛などを着ます。
教会式・人前式・神前式・仏前式
自分たちに合った挙式スタイルの選び方
挙式スタイルの種類について分かったものの、どれを選べば良いのか分からない新郎新婦もいるでしょう。ここでは、挙式スタイルの選び方について、さまざまな観点から紹介します。
①信仰する宗教で選ぶ / ②挙式会場の雰囲気で選ぶ / ③挙式の演出で選ぶ / ④心に響く音楽で選ぶ / ⑤衣装で選ぶ / ⑥参列可能な人数で選ぶ / ⑦人と被らないスタイルから選ぶ
①信仰する宗教で選ぶ
特定の宗教の信者ではなかったり、日頃の信仰はそんなに強くなかったりしても、指針となる宗教があればそれに倣うと良いでしょう。
人前式以外の挙式は、神の前で結婚の誓いを立てます。キリスト教に傾倒しているなら教会式、神道を重んじているなら神前式など、自分の信心に従って選ぶことが大切です。
信仰している宗教がお互い異なっている、あるいはどちらか一方のみが宗教を信仰している場合は、相手の親の意向も考慮したうえでよく話しあってから決めましょう。
②挙式会場の雰囲気で選ぶ
宗教にこだわらない場合は、雰囲気で選ぶのもおすすめです。厳粛な雰囲気の中で挙げたいなら教会式や神前式が、カジュアルな雰囲気の中で挙げたいなら人前式が良いでしょう。
Webサイトや雑誌などを見ただけで雰囲気を掴めない場合は、実際にチャペルや神殿の見学会に参加し、雰囲気を感じてみるのもポイント。
模擬挙式に共感できることで、その場で結婚式を挙げている自分がイメージしやすくなるはず!
\バージンロードを詳しく解説!/
③挙式の演出で選ぶ
憧れの演出があるなどのこだわりがある場合は、それを基準に選ぶのも良いでしょう。
例えば、「親と一緒にバージンロードを歩きたい」という憧れがあるなら教会式、または人前式がおすすめです。白無垢を着て境内を歩く神前式の「参進の儀」に憧れているなら、神前式を第一候補に。
「挙式は神前式がいいけれど、お父さんと腕を組んで入場したい」という希望がある場合は、披露宴会場で人前式を行う挙式スタイル「宴内人前式」を取り入れて、披露宴で父親と腕を組んで入場するのもおすすめです。
④心に響く音楽で選ぶ
挙式のときに流れる音楽は、おふたりやゲストの気分を盛り上げてくれる大切な演出。教会式ではパイプオルガンやバイオリン、讃美歌が流れ、神前式では雅楽が流れます。
いずれも挙式の雰囲気をいっそう醸し出してくれるので、重視している新郎新婦もいるでしょう。「この音楽が流れる中を歩きたい!」という希望に沿って選ぶのもひとつの手です。
宗教色を入れず、オリジナルの音楽にこだわりたければ人前式がおすすめです。人前式なら、選曲も自由に設定することができます。
⑤衣装で選ぶ
新郎新婦の衣装は挙式スタイルによって大きく異なります。教会式の場合はウェディングドレス、神前式や仏前式の場合は紋付き袴や白無垢を着ます。「この衣装が着たい!」という憧れがあれば、それを基準に選ぶのも良いでしょう。
挙式スタイルに関係なく、堅苦しくない雰囲気の中で挙式がしたい場合は、カジュアルな雰囲気で行える人前式がおすすめです。
また、洋装・和装、どちらも着たい場合は、披露宴や前撮りも含めて考えると良いでしょう。
⑥参列可能な人数で選ぶ
参列者の数に応じて選ぶ方法もあります。挙式スタイルや挙式会場によって、参列できる人数は異なり、一般的に神前式や仏前式は参列者が限られています(ただし、結婚式場の神殿では大人数収納可能なところもあります)。
よって、親族だけでなく友人や同僚など、たくさんのゲストを招待したい場合は、教会式や人前式がおすすめです。
⑦人と被らないスタイルから選ぶ

多くの新郎新婦が選んだ人気の挙式スタイル、もしくは人と被らないオリジナリティのある挙式スタイルを選ぶのも良いでしょう。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」(全国推計値)の調査では、「教会式」46.9%、「神前式」15.2%、「人前式」36.7%、「仏前式」0.4%という結果が出ています。
ウェディングドレスやチャペルなど、ロマンティックな雰囲気に憧れを抱いている新婦も多いこともあり、教会式が最も人気ですが、近年では、型にはまらないスタイルの人前式を選ぶカップルが増えています。
人前式は人と被らない、オリジナリティある挙式にしたいというおふたりにおすすめのスタイルです。
挙式の意味を理解して憧れの結婚式を叶えよう
挙式は、新郎新婦が立会人の前で結婚を誓いあう儀式のことで、スタイルは主に、教会式・神前式・人前式・仏前式の4つがあり、挙式の衣装、演出などは宗教によってそれぞれ異なり、流れも儀式的です。
挙式を選ぶときのポイントは、信仰している宗教や、「この衣装が着たい」「この演出で行いたい」というこだわり、あるいは人気のスタイルを基準にしてみましょう。また、宗教に関係なくオリジナルの挙式にしたい場合は人前式がおすすめ。
具体的なイメージが湧かないときは、ブライダルフェアなどで実際に会場を見学し、雰囲気を感じてみるのもひとつ!ぜひ参考にしてみてくださいね。
チャペル見学はブライダルフェアで!
※記事内容を最新情報に更新しました(2025.5.16)
- この記事を書いた人
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ライター 瀬上友里恵
地方在住のフリーライター。詩人として創作活動も嗜む。2児の母として子育て奮闘中。